『グラスホッパー』(61/120)

  • 動機

とりあえず伊坂さんだから。あとどこだったかのブログで「成田良悟さん好きにおすすめ」っていうのを見たから。

  • 感想

復讐。功名心。過去の清算。それぞれの思いを抱え、男たちは走る。3人の思いが交錯したとき、運命は大きく動き始める…。クールでファニーな殺し屋たちが奏でる狂想曲。書き下ろし長編。

群像劇?って言ったらいいのかはわかりませんけど、視点が複数の登場人物に切り替わりながらそれぞれのエピソードが折り重なって進んでいく感じ。


鈴木さん以外は全員殺し屋視点で進むんですけど、蜩がチンピラっぽい思考で一番読みやすかったというか共感できたというか。鈴木さんは言動行動がヘタレてるわけじゃないんだけども、なぜかヘタレな人に見えてきてしょうがない気がしました。なんとなくですけど鯨が一番まともなんじゃないかなぁっていう気がしました。たぶん気のせいですけど。
それにしても伊坂さんの小説には「○○いわく〜」とかって言いたがる人が毎回いるっていうのに最近気付きました。ミュージシャン率高めで。


いつもの軽快なやりとりは健在、かなぁ。そんなに伊坂さんの小説を読んでるわけじゃないのでなんとも言えないですけど。
あの終わりかたは、今までの展開からどうしてそうなるのかが結び付けづらい気がしましたが、一応伏線は張ってあったのでいい、のかなぁ。個人的には好きです。たぶんグラスホッパーで一番好きな一文。


ハードカバーの単行本だったんですけど、長さとかはあんまり気にならずにバーっと一気に読めて、話そのものはそんなに明るい話じゃないはずなんですけど楽しかったです。

グラスホッパー

グラスホッパー